コロナ禍を経て、日本の結婚式の形は大きく変わりました。親族と親しい友人だけを招く少人数婚や、写真撮影を主役にしたフォトウェディングがすっかり定着し、かつて主流だった大人数の披露宴は、数ある選択肢のひとつに過ぎません。業界の調査データを見ても、招待人数の平均は50人前後まで縮小し、会費制のパーティーやレストランウェディングを選ぶカップルが増えています。
挙式スタイルで変わる、式の雰囲気と費用
神前式は、神社の本殿で神様の前に立ち結婚の誓いを交わす、日本古来のスタイルです。白無垢や色打掛といった和装がよく映え、玉串奉奠や三三九度といった厳かな儀式が執り行われます。格式を大切にしたいご家族の希望がある場合や、和の世界観が好きなふたりに根強い人気があります。一方で、参列者の服装や作法に気を配る場面が多く、神社によっては祈祷料や本殿使用料が別途かかる点も押さえておきましょう。
教会式は、チャペルで行う挙式スタイルで、パイプオルガンの音色とステンドグラスが作り出す荘厳な空間が魅力です。信徒でなくても挙げられる非宗教型のチャペルが全国に増え、ウェディングドレス姿を思い描く花嫁に厚い支持を得ています。ヴァージンロードを歩く時間や指輪交換、フラワーシャワーなど、映画やドラマで見たような演出を叶えやすいのも教会式ならでは。ホテルや専門式場のチャペルは都市部を中心に数多くあり、式と披露宴を同じ場所で済ませられる利便性も人気の理由です。
人前式は、神や仏ではなく、集まったゲストを証人として誓いを交わすスタイルです。誓いの言葉をふたりで考えたり、ゲストとの握手やハイタッチで結婚を宣言したりと、自由度の高さが最大の魅力。アットホームな雰囲気を大切にしたいカップルに支持され、費用を抑えたい場合の現実的な選択肢としても注目を集めています。宗教的な要素がないため、さまざまな価値観を持つゲストが集まる場でも違和感なく進行できます。
| 挙式スタイル | 費用の目安 | こんな人におすすめ | メリット | 注意点 |
|---|
| 神前式 | 少人数なら総額150万〜250万円(会場による) | 和装が好き/格式を重んじたい | 伝統的な厳かな雰囲気、和装が映える | 作法やマナーの確認が必要 |
| 教会式 | 50人規模なら総額300万〜350万円 | ドレス姿を叶えたい/非日常感を求める | 荘厳な空間、演出が豊富 | チャペルによって時間制約あり |
| 人前式 | 少人数なら150万〜200万円程度 | 自由度を重視/アットホームにしたい | 演出の自由度が高い | 誓いの内容を考える手間 |
| フォトウェディング | 2人だけで10万〜30万円 | 式は挙げず写真を残したい | 費用が抑えられる、日程の自由 | ゲストとの時間がない |
費用のリアル——平均相場と、見積もりの落とし穴
結婚式の全国平均費用は、2026年時点でおよそ300万円台。招待人数50人前後なら総額300万〜350万円、30人ほどの少人数婚なら150万〜250万円がひとつの目安です。ただし、式場が最初に提示する見積もりは最低限のプランで組まれていることが多く、打ち合わせを重ねて衣装や装花、映像などを追加すると、最終的に当初見積もりの1.2〜1.5倍に膨らむケースが少なくありません。
費用の内訳で最も大きな割合を占めるのは料理と飲物で、全体のおよそ3割から4割。次いで衣装代、写真・映像、装花と続きます。招待状や席次表などのペーパーアイテム、司会者への謝礼、遠方のゲストへのお車代といった細かい項目も積み重なり、総額を押し上げる原因になります。契約前におおよその自己負担額を計算し、予算の上限をふたりで決めておくことが、後悔しない結婚式の第一歩です。
失敗しない会場選びと、賢い準備の進め方
会場選びで最初にやるべきは、ふたりの理想と予算をすり合わせることです。そのうえで複数の式場のブライダルフェアに足を運び、実際の雰囲気や料理の味を確かめましょう。フェア参加時には特典が付くことも多く、ネット上の口コミだけでは見えてこない、スタッフの対応や会場の音響、動線までチェックできます。
見積もりを比べる際は、項目単位で内容を確認するのがコツです。同じ料理でもランクによって金額差は大きく、装花や音響、照明などのオプションが含まれているかどうかで最終金額は変わります。最低限のプランを基準にせず、想定するゲスト数ややりたい演出を伝えたうえでの概算見積もりを出してもらうのがおすすめです。
準備は余裕を持って、遅くとも挙式の1年前には動き出したいものです。会場の仮予約、ゲストリストの作成、招待状の発送、衣装合わせ、最終打ち合わせと、やるべきことは途切れなく続きます。人気の式場は早い時期から予約が埋まるため、希望の日程があるなら迷わず問い合わせましょう。
費用を抑えたいなら、平日やシーズンオフの開催が効果的です。土日や繁忙期に比べ、会場使用料や料理単価が下がるケースが多く、同じ内容でも総額を抑えられます。都内で挙式した30代のカップルは、平日開催と装花の見直しで当初の予算を2割ほど抑えられたそうです。ドレスは新作にこだわらず、レンタルやブランドの中古品を選ぶのも賢い方法。ペーパーアイテムを手作りするなど、ふたりでできる部分を見極めて優先順位をつけましょう。
地域のリソースも活用しましょう。首都圏なら白金台の八芳園やホテルニューオータニなど、格式ある会場からガーデンウェディングができる施設まで選択肢が豊富です。ゼクシィやウェディングニュースといった情報サイトでは、地域別の式場費用や口コミをまとめて比較できます。複数の候補をリストアップし、実際に足を運んで比べることが、後悔しない選択への近道です。